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考えることにフォーカスしています。

「論理エンジン」が優れている理由

最近話題の本を入手し、検証してみた。
その本は

「論理エンジン」が学力を劇的に伸ばす

著者 出口汪

である。

この手の本は納得したとしても、自分一人で検証をすることになり、成果が出るのが自分ではなかなかわからないことが多い。
結果的に成長したかどうかわからないまま、中断してしまうこともある。


さてこの本の場合はどだろうか。

最初のほうは著者の経験談と「論理エンジン」にいたる経緯が記載されているので読み飛ばして結構。

p21
論理を習得した頭脳は、人生そのものを変える

【著作引用】
論理とは一本道である。
いまがこうなら次はこうなる。次はこうなら、最後はこうなるしかないと、最後まで見通すことができる。
一本道にならないときは、論理にどこか矛盾があるのである。
(引用終わり)

まさにそのとおりである。
会話自体も起承転結が破綻していることが多いので話し方に意識がいくことがないが、改めて論理的に筋道の通った会話の大切さに気づく。


p30 「論理エンジン」に「落ちこぼれ」は存在しない


このあたりから暗記中心の学習から考えることの大切さを説く部分にうつる。

論理的思考力を培うトレーニングの重要性について力説される。特に、この論理的思考のトレーニングは学生に限ったことではなく社会人にとっても欠かすことのできない能力であると言える。

なぜなら、思考の過程で「論理エンジン」は言葉を漠然と使わず、プログラムのような位置付けで説明しているからだ。

社会人は学生時期よりも言葉 を選択しなければ大きな誤解を招きかねない。よって論理エンジンの重要性は社会人にも適用される。



さて、論理エンジンの優れた点にフォーカスし非常にわかりやすく解説している。
日本人が思考するためには日本語を使用しなければならず、日本語を論理的に整理する必要がある点は十分納得できた。


著書で最もキモになる部分は以下のとおりである。

p60
【著者引用】

「論理エンジン」ではまず日本語の規則を理解し、その規則に従って正確に言葉を使いこなす訓練をする。そうした言語訓練によって、頭が活性化し、論理力や感性を大きく変えるための下地をつくる。

(引用終わり)

この部分に著書の全てが凝縮されているといってもよい。


論理力は一見、数学で鍛えるように思われがちだが、著書では数学は「人工言語」として扱っている。我々日本人は日本語で思考するため、「自然言語」による思考が求められる。よって数学のみならず、「自然言語」における理解も進めていかなくてはならない。

さて、論理的思考をする際に大切なことは「主語述語を明確にする」ことからはじまり10つのポイントを問題として提示してあり、非常にわかりやすい。

解けた気になっていると一見自分が論理的思考をしているかのような錯覚に陥りかねないので注意が必要である。

なぜなら、論理的思考の本質は奥深くにあるといえる。

論理的思考は著書によると「人工言語」と「自然言語」からくると言える。つまりそれ以外の言語、この場合は感情語、芸術の言語を使わず表現しなければならない。
それによってはじめて論理的思考に近づいたといえる。

通常の場合であると、かなりの鍛錬を積まなければ「論理エンジン」の取得は困難に思える。

しかし、苦労に比して取得したときの見返りはかなりのものがあると判断できる。

論理エンジンは日本語を使って思考する日本人には特に避けては通れないものであると推察する。